海藻類(marine algae)は、海水で生息する光合成植物として微細藻類と巨大藻類がある。特に 巨大藻類は長い間に人間に有用な食用、飼料、肥料、医薬品、工業用原料などに利用されている。 また、水産資源の餌、産卵・繁殖場として活用されてきた。
- 藻類(algae)は、陸上植物を除外した全ての光合成生物を通称することで、ある特定な分類群を指称する分類学的な用語ではなく非常に多様な分類群を含める広義的な一般用語である
- 藻類は、海水で生育するか淡水で生育するかによって海藻類(marine・algae)と淡水藻類(fresh ・wateralgae)に分けられる
- 生態学的には微細藻類(micro-algae)と巨大海藻類(macro-algae)に分類される
- 世界で分布している藻類は通常約4万種があると把握されているが、他の資料によるとこれよりも4~8倍ほど多い未記録されている種が存在していると知られている
- 藻類の大半は植物プランクトンと呼ばれる単細胞性微細藻類に属するが、これらは海洋生態系の基礎生産者として重要な役割を果たしている。多細胞性巨大藻類は色彩によって緑藻類(green algae)、 紅藻類(red algae)、褐藻類(brown algae)に分けられるし、これらは通常的に海藻類 (seaweed)と 呼ばれる。微細藻類は陸上植物と類似した光合成をするが水や二酸化炭素と違う 栄養分がある海洋に生息するので太陽エネルギーをバイオマスに転換する時にさらに効果的である
- 現在、人間が利用する海藻類の種類は約500種に至るし、産業的に重要な海藻類はコンブ、ワカメノリ、天草、海髪、オバクサなどがある
巨大藻類と微細藻類の区分
区分 | 微細藻類(Microalgae) | 大型海藻類(Macroalgae) |
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大きさ | 顕微鏡的な大きさ | 肉眼で見られる大きさ |
分類群 | 褐藻類を除外した全ての分類群に属する | 緑藻類、褐藻類、紅藻類に大別 |
生息環境 | 海洋及び淡水 | 大半の海洋 |
代表種 | 淡水産(Chiorella, Scenedesmuなど) 海水産(Tetraselmis, Nannochloropsisなど) |
ワカメ、コンブ、ホンダワラ、ノリ、天草、青海苔など |
生産方式 | 室内で培養槽を利用 | 現行の海藻類養殖方法(支柱式など) |
主要対象成分 | 脂質 | 炭水化物 |
資料 : 国立水産科学院海藻類研究センター・農林水産食品部・養殖管理課の会議資料(2009. 4)
海藻類の分布図
海藻類の世界的な分布は上記の図のようであり、海藻類の中で養殖されている分類群は5つに限られているが具体的には紅藻類に属するアマノリ属(Porphyra),キリンサイ属(Eucheuma) 及びオゴノリ属 (Gracilaria)と褐藻類に属するゴヘイコンブ属(Laminaria)及びワカメ属(Undaria)である。